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霧島の磨崖仏

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  大学祭期間中に、霧島市横川町赤水の赤水岩堂観音磨崖仏、大出水の甌穴を見に行ってきました。赤水岩堂観音磨崖仏は、一般の市道を外れて、細い道を2.5キロばかり行くので、本当にここでいいのか不安になるような道です。赤い鳥居のところで、通行止めになり、そこからかなり深い谷底まで歩いて下ります。磨崖仏は、建武2年(1334)という南北朝期の年号を有する来迎阿弥陀三尊で、ふっくらとした穏やかな表情が特徴的です。  その後、大出水の甌穴に向かいましたが、これほど綺麗な水がこんこんと湧き出ているのは始めて見ました。掲示がほとんど無いのもポイントで、知っている人だけの名水と言えます。川の水も透明度が高く、餌がないのか魚影を全く確認できませんでした。  11月17日の新聞報道で、上記2点を含む天降川流域の「天降川流域の火砕流堆積物」が国の天然記念物に答申されたとのことです。 写真は、伊藤宏明氏による。 高津孝 2012.11.21 赤水岩堂観音磨崖仏

徳之島実習&研究発表会

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  今月、鹿児島環境学WGメンバーらと徳之島に2回行った。初回は大学院の環境学教育コースの授業の一環として、地元住民へのインタビューをさせていただいた。どこの地域にも様々な業種があり、様々な技能を持つ人がいて、様々な思索をめぐらしつつ、社会のため、家族のため、自分のために働いている。島内で、建設業・観光業・製糖業・畜産業・農業・NPO活動などに従事していらっしゃった方々にご自身の人生や仕事にまつわる四方山話をお聞きした。初めての試みではあったが、学生にとっても引率教員にとっても印象深い実習となった。2回めは、農学研究科の米田健教授と水産学研究科の鈴木寛志教授にも参加していただき、研究成果を地元にお伝えするための共同研究発表会をおこなった。75名の参加者で会場が埋まり、その後の交流会でも活発な意見交換が行われた。実習でのインタビューや研究発表会の前後には、島内の自然環境や文化発信施設を見て歩き、偶然、調査のため来島中だった哺乳類や鳥類の研究者の方々に解説いただく機会にも恵まれた。WGメンバーもそれぞれ得意分野を持っている。現場に立つと自動的に誰かのスイッチが入り,お互いに解説しては、「へえ〜」を連発し合う展開となった。さらに、移動中も宿舎でも、今後の鹿児島環境学研究会の活動について熱い議論を闘わせたことは言うまでもない。   準備段階から多大なご協力をいただいた島内三町の役場のご担当者や地元NPO、学生の単刀直入な質問に快く応じてくださった住民の方々、お忙しい中を共同研究発表会においでいただいた皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。                                宮本旬子 2012.11.21 シギ・チドリ類が採餌する干潟とヒルギ林 巨大な板根を持つオキナワウラジロガシ 島の地史を語るムシロ瀬の花崗岩

虫の音

 先日、錦江湾(鹿児島湾)奥の霧島郊外を歩いた。  秋の気配が深まりつつある郊外は、街灯の数も少なく、車の量は多いが人通りは少ない。寂しげだ。しかし、闇の迫る道で耳を澄ますと、秋の夜長を楽しませてくれる虫の音が鳴り響いていた。  ナチュラリストではない私にはどんな虫が鳴いているかわからないが、童謡を思い浮かべながら、スズムシやらマツムシやらと思い浮かべてみる。  子供のころ過ごした故郷の裏山は古墳を中心とした雑木林や桑畑が広がり、多くの生き物がすんでいた。夕方にはエンマコオロギなどの虫の音が響き、そして夜になると魑魅魍魎が徘徊するがごとく暗闇が広がるため、空想好きな私には恐れを感じながらも心地よいひと時だった。  秋の気配は、明るくコンクリートの多い町中に暮らす私を、虫や魑魅魍魎たちが住む夕闇へと導いき、大学の雑務を忘れさせてくれる。 河合渓 2012.11.16

地域の魅力的な人たちに会いに行こう!

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 11月3日の「文化の日」に,薩摩川内市の峰山地区コミュニティ協議会の「柳山アグリランド芋掘り」が開催された。    峰山地区と言えば,県が進める「共生・協働の地域社会づくり」のお手本のひとつとしてしばしば語られる地区。   人口約1,500人,700世帯余りの地区ながら,延べ1万人を超える地区住民のボランティア活動により,牧場跡を四季の花が咲き乱れる自然公園「柳山アグリランド」に生まれ変わらせたり,そこにあった牛舎を改造して住民自らが運営するレストランを開業したり,住民協働で地区内の道路整備を行ったりと,德田会長のもと,その強烈な住民パワーで,意欲的な「自助」「互助」の取組を行っている。 今回の舞台となったコガネセンガンの畑。 奥は,食用のベニハヤトなどの畑。 畑の周辺にはイノシシ防止用の電気柵が設置されている。 峰山地区コミュニティ協議会の德田勝章会長。御年74歳。 平成17年4月の就任以来, 同地区のパワフルな住民活動の中心的存在である。  今回の「芋掘り」は,当地区のこうした取組の1つであるオリジナル焼酎「柳山高柳(やまぎやまこうりゅう)」の原料となるサツマイモの収穫・出荷を行うもの。7月に同じく柳山アグリランドで行われたコスモスの種まきとサツマイモ畑の草取り作業にボランティアとして参加し,手づくりのおにぎりや漬け物等を頬ばりながらの同地区の皆さんとの語らいの楽しさを忘れられなくなった私は,職場の同僚や本学教育学部の学生たちといっしょに今回も参加させていただいた。    今年のサツマイモの生育状況は例年に比べめっぽうよかったらしく,私が今までに出会ったことがないような人間の頭くらいの大きさの立派なイモがザクザク,ゴロゴロ!  その分,出荷作業は思ったよりもハードであったが,住民を中心とする約200人の参加者がお互いに声を掛け合いながら,力を合わせて取り組んだ結果,約2時間半でオリジナル焼酎用のコガネセンガン約7トンの出荷ができ,あとは来年1月末の新焼酎の完成を待つばかりとなった。 参加者全員での収穫・出荷作業風景。 中でも,地元の小中学生が本当に 一生懸命に作業に取り組んでいたのが印象的だった。 写真中央の小学5年生位の男の子が, 作業終了後にお土産にもらった芋を 両手にさげて帰る後ろ姿には, 既に一家の大黒柱的な頼もしさと力強さが漂っていた。 収穫・出荷作