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昔の自分と出会う。

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「屋久島通信」創刊号     先日、屋久島について意見交換する機会があり、自宅で古い資料をひっくり返していると20年前の自分に出会えた。屋久島環境文化財団の会報「屋久島通信」創刊号(平成5年12月)の編集後記である。当時の担当者の配慮で、すでに別の部署に異動していた私に依頼してきた。そのまま紹介する。はて、今の自分は成長しているのか?   『「地方の時代」と言われています。その言葉の響きには、単に一極集中への苛立ちというのではなく。豊かさに対する価値観やライフスタイルにおける現代人の幅広さ、何かしら新鮮さを感じます。そしてそのことは地球規模で環境問題が語られることと無縁ではありません。地方の時代を志向する心底には、「もう一度身の回りの生活の場、環境を、これまでと違う尺度で見直してみよう」そんな考え方があるのではないでしょうか。そんな中で、地方における環境行政は、単なる環境保全にとどまらず、住民の生き方拠り所となる環境=自然との関わり方をどうするかという新たな使命と展開が求められています。すなわち、時代性と一定の方向性を持ち「環境文化」が地方・地域で大いなる展開を見せつつあるのです。社会が成熟し、人々が意識する時代から実践する時代へと変化している証でもあります。幸いに屋久島を取り巻く人々の心は、島の内外を問わず一つの方向にあったのです。「自然との共生」です。世界自然遺産にもなる壮大な自然と出会い対話したものだけが味わえる予感なのかもしれません。この会報は、その屋久島にまつわる「自然と人とのかかわり方」の一つ一つを、できるだけ多くの人々が伝え聞き、そこに新たな交流が生まれ、その輪を大きくしていくためのオープンスペースでありたいと願っています。』  生物多様性、里山資本主義等々氾濫しているが、屋久島は今も時代を先取りし続けているのだろうか。そろそろ次の一手の時だが…。   そう言えば、創刊号にはIUCNの屋久島現地調査に来られたモロイ博士(右2人目)も紹介されている。 岩田治郎 2014.2.20

雪景色を愛でる

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  東京では、2014年(平成26)2月8日(土)の未明からほぼ一日、呆れてしまうぐらい雪がよく降った。その日の夜には積雪が25センチとなり、ニュースによれば45年ぶりの記録的大雪らしい。雪の回廊を行き来する北国の人であれば、それでも驚きは少ないだろうが、南の人間にとっては珍しい光景である。 アロエと正門 キャンパス1 キャンパス2 キャンパス3  その日は、学士入学の面接試験日であったため、本郷キャンパスに出入りした。数時間のうちに変化する雪景色を写真に収めておこうと、午前11時、午後1時、午後3時とほぼ2時間おきにシャッターを切った。とは言え、足もとも覚束無いなかでの携帯のカメラによる撮影のため、完全な定点観測とはいかなかったのだが…。 正門前@11時 正門前@13時 正門前@15時  12日現在、まだ空気がつめたく若干の根雪が残る。これも、パッと降りパッと消えてしまう南国の雪体験との違いだ。何となく北海道に見えたり、リアス式海岸の島々に見えたりと自然美を醸し出すものもあれば、安田講堂前庭のベンチには、地下の学食から昇る熱の作用か小さな雪山が並ぶ。現代芸術のようなこうした自然と人工のコラボレーションもまた楽しい。 根雪1                根雪2 根雪3 西村明(東京大学宗教学研究室)2014.2.13