島の道

  先日、種子島においてシンポジウムを開催する予定であった。高速船で当日に鹿児島から種子島に行こうと考えていたが、この夏最大級の台風がやってきて、種子島に近づくということで、突如会場が種子島から鹿児島大学に変更になった。

 突然の変更であったが、多くの方の参加を得て、最後のアンケートでは、「非常に有益であった」、「とても勉強になった」等の意見をいただき、大盛会であった。

 その基調講演では東京学芸大学の石井正己先生により、「薩南諸島で考える海上の道」というお話をしていただいた。柳田国男の「海上の道」から始まるお話では、薩南諸島の文化や日本人について強く考えさせられた。その中で、島における道として、一般的には「陸の道」、「海上の道」、「空の道」があるが、最近は「情報の道」があるというと話が有った。

 台風で急きょ会場が変更になったのであるが、鹿児島市、中種子町、奄美大島、口之永良部、屋久島を結んで行われたシンポジウムではスカイプとYou tubeで会場が繋がれ開催され、全員がすべての情報を共有し共感した。島という環境における「情報の道」の重要性を痛感した一日であった。

河合渓 2014.10.9

十島村中の島にある碑「汽船も道なり」