Aesthetics of technology (テクノロジーの美)

  7月末、梅雨明けの猛暑の日に谷山にある鹿児島七ツ島メガソーラー発電所に行ってきました。イギリス人の撮影クルーのお手伝いです。私自身初めて訪れる場所だったので、とても興味深く思い、喜んで出かけました。

70.2MWの発電能力のある七ツ島発電所が2013年10月に完成したときは日本最大のメガソーラーだったそうですが、現在は81.5MW の大分ソーラーパワーに抜かれて、日本2位。近い将来にわたっては、錦海塩田跡地に230MWのプラントができるとか。日本ではどんどんソーラーパネルの数が増えていきつつあることを実感!

鹿児島七ツ島メガソーラー発電所

 

 当日は現地にて英国人クルー2名を待つことになりました。私自身初めて行くところだったので、早目に行こうという思いはよかったのですが、最初は迷ってしまい、ソーラーパネルに引き寄せられてIHIの敷地に入り込んでしまいました。おまけにこの日は展示館も休みで、やや早めに到着したもののゲートはしっかり閉ざされたままで、ようやく係の方とお会いできて敷地内に入れていただきました。とにかく暑い日で、ゲートから展示館入口までも歩くのすらはばかられるほどでした。

 英国人の若い二人は2時間ほどの間に二、三百枚の写真と映像を撮っておりました。このゴンドラは14メートルの高さまで行くので、全景を撮るにはもってこいということで喜々としてカメラを構えておりました。

 

 彼らは約2週間の予定で来日しており、東京を見た後は富士山に行き、登山をする暇はなかったけど雰囲気は楽しめたと言い、京都で日本を味わい、鹿児島に来た当日は朝5時に京都を出て新幹線で昼前に到着。メガソーラーを2時過ぎに後にして、そのままトッピーで屋久島へ。屋久島は2泊3日の予定で島内一周と屋久杉ランド、沢登りを楽しむことになっているということで、このメガソーラーの映像とどう結びつくのかが不思議で彼らに撮影目的を尋ねましたら、「日本の美」というテーマの映像を撮っていて、メガソーラープラントではテクノロジー(技術)の美を追求したいということでした。活火山桜島を背景に20万枚ものソーラーパネルが整然と並ぶさまはまさに『絵』になるとご満悦でした。残念ながらこの日の桜島はぼんやりとしか見えなかったのですが、パネルの上に積もる火山灰の処理方法などは結構詳しく質問をしていました。

 パネルとパネルの間の溝が9㎜で延々と何十メートルも一直線に伸びている様も彼らにとっては脅威の美と写ったようです。炎天下のもと、パネル上の温度は軽く40度を超える中、パネル間を何度も歩いて往復しながら、にこにこと実に嬉しそうに写真を撮っている彼らのエネルギーに圧倒された一日でした。