薩摩つげのデザイン印鑑

 先日(3月14日)待ちに待った印鑑が届いた。

 昨年の12月初め、数年前Regionに紹介された枕崎の印鑑屋のことを思い出し、インターネットで検索、その日のうちに申し込んだ。4か月待ちだという。

 この年令になると3日前のことも忘れてしまう。この注文のことも例外ではなく、そんな中、2週間ほど前だったか、印鑑屋の主人から突然電話があり3種類のデザイン案がファックスで送られてきた。迷ったが「田」の字が気に入って2番を選んだ。



 薩摩ツゲ(柘植)は、今更言うまでもないが、指宿地方が原産地のツゲ科の常緑低木で、他の木よりも成長が遅い為、緻密で弾力があり、古くから櫛や印鑑の原木として珍重されてきた。

 送られてきた印鑑は、薩摩つげの枝を利用し、木の皮も形もそのまま生かしてある。長さ6cm、印影は、楕円形で、たて2cm、よこ1.6cm。

 くだんの印鑑屋は、昇文堂(枕崎市港町2、0993-72-1652)。東京のある店で評判になり、今では遠方から注文が殺到しているらしい。紹介記事には「印鑑作りは、まず素材となる木が決まった時点で、字入れ(木に直接、逆字を入れていきます。)・荒彫り(おおまかに彫る)・ペーパーをかけながら、最後に仕上げ専用の彫刻刀で仕上げていきます。この彫り上げていく作業だけでも、1日に2本仕上げるのが限界・・」とある。

 文字数に関わらず8400円は安いと思った。

 印鑑は縁起を担ぐ。

 3月16日が大安。その日から使うこととした。

岩田治郎 2014.3.18