ゆふいんの森

  先週久しぶりに大分での通訳案内の仕事が入りました。その行程のなかに数年ぶりの湯布院が入っていたので下見に出かけました。どうせ行くのならちょっと旅行者気分を味わおうと思い、鹿児島中央駅から九州新幹線で久留米まで行き、久大線に乗り換えて「ゆふいんの森」号で湯布院へと向かいました。「いぶたま」も人気ですが、JR九州にはSL人吉とか、隼人の風、いさぶろうしんぺい号、海幸山幸号などいろいろな観光列車があります。いずれもなかなか予約が取れないという話ですが、私は「ゆふいんの森」号の座席を前日に予約することができました。平日だったのでそれが可能だったのでしょう。入口から3,4段ほどの階段を上がったところにあるウッド調の床の座席は確かにおしゃれで眺めが良く、湯布院までの時間を睡眠時間に充てようと思っていたのですが、結局まわりの風景を楽しみながら1時間半ほどの列車の旅を楽しみました。観光列車と普通の特急との違いは、まわりの風景やそれにちなんだ昔話の紹介がけっこうあること、それと乗務員の質の高さでしょう。

 私の乗った4号車は一番後ろの車両でしたので、後に流れていく景色を運転席から見ることができました。でも確かずっと前は展望車両があったような記憶が。。。(今回の乗車は2回目です)。以前と大きく異なったのは、車内で聞こえてくるのが中国語と韓国語だったこと。よくよく見渡すと日本人らしき人はチラホラしかいません。乗務員に尋ねると、この列車の乗客の7,8割は台湾か韓国からの客だということでした。湯布院駅に降り立ち、観光案内所で聞いてみるとその数字はさらに上がり、「9割はアジア人」と言っていました。

 10年以上前に行ったときに印象深く覚えている湯布院は川面に朝もやがかかりとても風情のあるところということでしたが、あっという間に店が立ち並び、なんだかかわいらしい町に変貌してしまいましたが、2,3年前に行った時とくらべて街並みがさらに変わってしまっていたようでした。私は個人的には以前のほうが好きで、その昔、金鱗湖までゆっくりと歩いたのを懐かしく思い出しながら、韓国人や台湾人であふれかえっている通りを彼らの間を縫うようにしてあわただしく下見を済ませることができました。

山崎美智子 2013.6.5


「ゆふいんの森」号(湯布院駅にて)

後方運転席からの眺め