人が死なないと梅雨が明けない

 鹿児島には悲しい言い伝えがある。この言い伝えには、鹿児島が豪雨による土砂災害に見舞われやすいこと、梅雨末期に大きな降雨に見舞われやすいこと、が含まれている。

鹿児島では今年、6月後半に県本土南部で豪雨に見舞われた。幸いにして人的被害はなかったが、土砂崩れや土石流によって大隅半島南部の肝付町のいくつかの集落が孤立するなど、大きな被害が生じた(写真)。そして、この梅雨前線は7月に入って北上し、九州中北部の熊本県や大分県で大雨をもたらして大災害を引き起こした。

7月17日、気象庁は四国、中国、東海、近畿、関東甲信地域の梅雨明けを発表した。九州南部・北部地域は台風7号の接近もあって、まだ梅雨明けの発表がなく、大雨と土砂災害に対する注意喚起が続けられている。まだしばらくは注意が必要なようだ。

さて、私はと言えば、梅雨が明けるまでハラハラし続け、梅雨が明けたら明けたで、現地の調査に入る。そうこうしているうちに台風シーズン。ゆっくり寝られるのは、いつになるのだろうか?

井村隆介 2012.7.18

鹿児島県肝付町白木の土砂災害現場(7/5撮影)