鹿児島の今

 

 イギリス人は挨拶代わりに天気の話をすると言いますが、今の鹿児島は挨拶代わりに「火山灰」の話題で持ちきりです。

 今、鹿児島は桜島からの火山灰で完全に覆われています。歩行者はマスクをし、目を細めて歩いています。車は舞った灰の中を走り、全ての車体は灰色に染まっています。

 鹿児島に来て10年ちかくなりますが、今気がついたことがあります。

 降灰に対して、みんなは怒ったり、悲しんだり、けなしたりと多くの罵声が聞こえてきますが、その原因である桜島に対しては批判めいたことは一度も聞いたことがありません。

 やはり、西郷さんも見た桜島は鹿児島市民にとって心の拠り所なのかもと思う県外出身者です。

河合渓 2012.5.25